2014年から2019年にかけてGoogleとそのOEMメーカーはスマートフォンを使った様々なVRシステムをアピールしました。しかし同時にアップルはスマートフォンVRヘッドセットを開発することはしませんでした。
スマートフォンVRとは
5年前、多くの人がヘッドセットVRがスマートフォンの次のトレンドにナルト考えていました。アップルは2007年にiPhoneをリリース、2010年にiPadをリリースしましたが2014年にiPadの売り上げがピークを迎え、スマートフォン市場も一段落しつつあったという背景があります。
そんな中スマートフォンメーカーは次のトレンドを探し、スマートフォンをヘッドセットにセットすることでVRデバイスにするスマートフォンVRを発表しました。
Android VRの利点と欠点
Googleは2016年までに500万枚のCrdboardビュワーをリリースしたと発表しています。さらにCardboardより高機能なDaydreamもリリースしており、これを使うことでより本格的なVR体験が可能でした。
VRに本格的な参入うぃしていたサムスンはVR大手のOculusと提携し、独自のプラットフォームを構築していました。
それぞれ様々なコンテンツを提供していましたが、最終的に2019年にサムスンとGoogleはスマートフォンVRからの撤退を発表しています。
Androidスマートフォンを使ったVRの最大の利点は低コストです。VRはパソコンと組み合わせて使う場合、10万円程度のゲーミングPC、そして10万円程度のVRヘッドセットが必要とされていました。パソコンを持っていない人にとってこれではVRで遊ぶのはかなり高い壁といえます。しかしスマートフォンであれば、数千円のヘッドセットに今持っているスマホを差し込むだけで利用出来るため、多くの人が興味本位で試すことが出来ました。
スマートフォンVRヘッドセットの最大の欠点は取り扱いが面倒なことです。スマートフォンを毎回ヘッドセットに挟み込み、イヤホンを接続する必要があるため1度使ったらもう2度はつかわない人が大半でした。またスマートフォンの性能にばらつきがあるため、VR体験が酷いものであるという印象を持っている人も多いようです。
しかし現在ではPC向けVRヘッドセットも価格が下がっており、Windows Mixed Realityヘッドセットであれば2万円台から存在するほか、Oculus Goのような統合型VRヘッドセットも登場しておりスマートフォンを使うメリットはかなり少なくなりました。
アップルが参入しなかったわけ
アップルはVRについて社内でなんども調査していたことが分かっていますが、VRヘッドセットをiPhoneと組み合わせて使うことよりもARを使うことを選択しました。
もちろんサードパーティからいくつかのVRはリリースされていましたが、Mac向けのVRをサポートするのみで、iPhoneではサポートされていません。
アップルがiPhoneでVRをサポートしなかったのは、Androidの失敗のように、ユーザーが使うにはまだ面倒すぎるものだったからではないでしょうか。
--